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プレスリリース

平成22年6月28日

日本初!排熱型(完全外気冷却方式)クラウド用データセンターを年内10月竣工に向けて着工

-検証結果および申請済特許を用いた建設コンサルティング事業へも進出-

日本ラッド株式会社(JASDAQ上場、本社:東京都新宿区、代表取締役:大塚隆一、以下日本ラッド)は、空調機を全く使わずに、外気のみでサーバの除熱を行う新しいタイプのデータセンターの建設を6月24日に着工しました。(関連特許を出願済み)

日本ラッドは2009年5月以来、外気のみで冷却する省エネ型のデータセンターの実証実験を実施しています。日本ラッドではこの方式の特徴を元に「排熱型(以下同方式)データセンター」と定義・命名しています。

日本ラッドは実証試験を通じて、以下の4点を2009年10月に対外発表をしています。

  • 夏でも外気のみの除熱でサーバCPU温度を既存データセンターよりも低くすることができる。
  • 真夏において、世界最高の消費電力効率(PUE)で1.07を実現できる。
  • 空調機等電力需要関連設備の大幅な削減・小型化を通じ建設コストの大幅な削減が可能である。
  • 東京地区でも冬季の外気気温条件は低すぎるためデータセンターの加温対策、温度一定化のためのシステム等が必要であること。

日本ラッドは以上の検証事実を元に更に追加検証実験を進めながら、2010年6月に世界初の完全に自然外気にのみで除熱冷却を実現する商業用排熱データセンターを、クラウドサービス専用の商業用データセンターとして総額約4億の予算で都内目黒区に建設着工しました。

データセンター概要 仕様
PUE 1.1以下(設置ラック数200ラック、供給電力=6KVA/ラック)
建設方式 既存建屋改造改修方式による排熱型データセンターの建設
予算規模 第一次施工1億7,300万円(既存建屋大規模補修費用含む)

日本ラッドの実証試験では、東京都内の冬季気温環境である「摂氏0度」前後の環境下ではサーバ故障率が高くなることがわかっています。このため、サーバ排熱の再利用還流等(特許出願済み)の実験を行っています。この方式でも、冬季の加温および恒温化は夏季よりも制御が必要なことが判明しており、新たに建設するデータセンター内でも、これまでの検証結果を元に、更に安全性の高い制御方法を考案検証し、外気冷却方式の弱点である冬季低温対策を拡充し更に性能および信頼性を向上させ、大型データセンターの建設のための技術水準の向上を図る予定です。

排熱型データセンターは、従来方式と比べ建設費を2分の1から7分の1程度に圧縮し、大幅な削減を実現します。また、消費電力半減に伴い、電力余力が拡大し、ラックあたりの供給電力も拡大します。これらの効果で新データセンターでは業界でも最高水準の電力供給力である6KVA/ラックの電力供給を実現し、空調機スペースの大幅削減によってセンターで全体に200ラックを設置運用することが可能です。この場合、年間1億5000万円以上の電気利用料金の節約を実現します。当然、CO2排出量の大幅な削減も実現します。

同方式はすでに同業事業者に一部見学公開しており、見学に参加した業界大手の複数ホスティング事業者も完全外気方式の採用を表明しております。今後、新設のデータセンターのほとんどは同方式になると日本ラッドは見ており、実証試験結果と商業用センター1号機の運用および建設のノウハウ、申請済みの特許等を用いて、排熱型(外気冷却方式)データセンターの建設コンサルティング事業を開始しました。

※新型データセンターの詳細につきましては、添付の「補足資料」をご参照ください。

日本ラッド株式会社について

  • 所在地:東京都新宿区四谷4-16-3 日本生命新宿御苑前ビル8F
  • 代表取締役会長:大塚隆一
  • UJASDAQ上場(コード番号 4736)
  • URL:http://www.nippon-rad.co.jp/

ソフトウェアの受託開発、システムインテグレーションを主業務とする1999年に公開したJASDAQ上場企業です。近年は自社データセンターを起点としたSaaS事業、業務分析等のコンサルティングサービスのご提供をはじめ、多次元ビジネス分析、地域交通インフラ、動画ネット配信等のソリューションに注力しています。